「Salesforceが使いにくいという声は聞こえるが、具体的にどう直せばいいのか分からない」「アンケートをとっても『特になし』と回答されてしまい、実態が掴めない」——。
Salesforceの定着化プロジェクトにおいて、現場とシステム管理者の間にある深い溝。それは「現場の本当の不満(ペインポイント)が、システム側に正しく伝わっていないこと」に起因します。
結論から申し上げますと、現場から出る「使いにくい」「面倒くさい」という不満は、システムを定着させるための「改善のヒントが詰まった宝の山」です。これを正しく吸い上げ、システムに反映できるかどうかが、定着化の成否を決定づけます。
この記事では、システムの運用改善に悩む推進担当者様へ向けて、現場の隠れた不満を正確にあぶり出し、Salesforceの定着へと繋げるための実践的なヒアリング術を解説します。
なぜ現場は「本当の不満」を自ら言ってくれないのか?
ヒアリングの手法を学ぶ前に、そもそもなぜ現場の営業担当者が自ら具体的な改善要望を上げてこないのか、その心理的背景を理解しておく必要があります。
- 「言っても無駄だ」という諦め: 過去にシステムに対する要望を出したものの、一向に改善されなかった(または「仕様です」と一蹴された)経験から、フィードバックすること自体を諦めている。
- ITリテラシーへの引け目: 「自分がシステムの使い方の正解を分かっていないだけかもしれない」「こんな初歩的なことで文句を言ってはいけない」と遠慮している。
- 不満を「言語化」できない: 「なんとなく使いにくい」「画面を見るのが苦痛」という感情はあるものの、「どのオブジェクトの、どの項目の配置が悪い」といったシステム要件に翻訳して伝えるスキルがない。
一斉送信の「Salesforceに関するWebアンケート」だけで現場の不満を拾おうとするのは、これらの心理的な壁に阻まれるため、ほとんど意味を成しません。
現場の真の不満を引き出す「3つのヒアリング術」
表面的なアンケートではなく、現場のリアルな感情と業務のボトルネックを抽出するためには、推進担当者が自ら現場に歩み寄る以下のヒアリング手法が効果的です。
1. グループではなく「1on1(個別)」で話を聞く
複数名が集まる会議の場では、上司の目や周囲への遠慮があり、本音が出ません。若手からベテランまで、ターゲットとなるユーザーを数名ピックアップし、必ず1対1のリラックスした環境(30分程度のオンラインミーティングで十分です)で話を聞きます。
「システムをより良くするための相談に乗ってほしい」というスタンスで臨むことで、相手の警戒心を解くことができます。
2. 「どう直してほしいか」ではなく「どこでイライラするか」を聞く
現場に解決策(How)を求めてはいけません。聞くべきは、日々の業務における課題(What・Why)です。
- NGな質問: 「入力画面をどう変更すれば使いやすくなりますか?」
- OKな質問: 「昨日、Salesforceに入力した際、一番『面倒だな』『イラッとするな』と感じた作業はどこでしたか?」
「取引先を検索するのに3回もクリックしなければならない」「この項目、商談の初期では絶対分からないのに必須になっている」といった、具体的なイライラポイントを拾い上げます。
3. 実際の画面を「一緒に見ながら」操作してもらう(シャドーイング)
これが最も強力なヒアリング手法です。ヒアリングの際、相手にSalesforceの画面を共有してもらい、「いつものように、昨日の商談結果を入力してみてください」とお願いします。
マウスの動きが止まった瞬間、タブを何度も切り替えている瞬間、Excelからコピペしている瞬間に、**「あ、今そこで迷いましたね?」「そのデータはどこから持ってきたんですか?」**と深掘りします。ユーザー自身が無意識に行っている無駄な作業(不満の種)を、客観的にあぶり出すことができます。
【比較表】失敗するヒアリング vs 成功するヒアリング
推進担当者のスタンスによって、得られる情報の質は劇的に変わります。
| 比較項目 | 失敗するヒアリング(システム主語) | 成功するヒアリング(現場主語) |
| 手法 | 全社へのWebアンケート一斉送信 | 代表者への1on1インタビューと操作観察 |
| 質問の質 | 「新機能の満足度は?」「要望は?」 | 「どこで作業の手が止まりましたか?」 |
| スタンス | 答え(要件)を現場に出してもらおうとする | 現場のイライラから課題を見つけようとする |
| 得られるもの | 「特になし」という無関心、または非現実的な要望 | 画面改修や自動化に直結する、具体的なペインポイント |
吸い上げた不満を「即座に改修する(クイックウィン)」
ヒアリングを行って最もやってはいけないのは、**「話を聞きっぱなしにして放置すること」**です。現場は「時間を割いて話したのに、結局何も変わらない」と感じ、二度と口を開いてくれなくなります。
ヒアリングで得られた不満の中で、数分〜数時間で直せるもの(例えば「使っていない項目を非表示にする」「リストビューの並び順を変える」など)は、ヒアリングの翌日には改修して本番環境に反映させてください。
「言ったらすぐに直してくれた!」という小さな成功体験(クイックウィン)の提供こそが、現場のシステムに対する信頼を回復させ、継続的なフィードバックループ(アジャイルな定着化プロセス)を回すための起爆剤となります。
まとめ
現場から上がる「使いにくい」という不満は、システム導入に対するクレームではありません。それは、「自分たちの業務をもっとスムーズに進めたい」という、現場の切実なSOSです。
システム管理者や推進担当者は、パソコンの前に座ってデータだけを眺めるのではなく、自ら現場の声に耳を傾ける「聞き上手なコンサルタント」になる必要があります。現場の不満を宝の山として真摯に受け止め、システムという形のある解決策へと昇華させることで、Salesforceを真に「使われるシステム」へと導いてください。
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