「Salesforceを導入して数年経つが、本当に今の使い方が正解なのか分からない」「高いライセンス料を払っているのに、ただの『高機能な顧客リスト』になってしまっている気がする」——。
日々の業務に追われていると、自社のSalesforceが本来のポテンシャルをどれくらい発揮できているのか、客観的に評価することは非常に困難です。
この記事では、システムの定着・改善のヒントを探しているご担当者様へ向けて、数多くの企業のシステムを立て直してきた運用代行のプロが実際に使用している「Salesforce活用度チェックリスト」を大公開します。自社の現在地を正確に把握し、次に行うべき改善アクションを見つけ出しましょう。
なぜ「活用度の定期チェック」が必要なのか?
Salesforceは「導入して完成」のシステムではありません。ビジネス環境や社内体制の変化に合わせて、常に設定や運用ルールをアップデートし続ける必要があります。
定期的な健康診断(活用度チェック)を怠ると、以下のような「負のループ」に陥ります。
- 入力ルールが現場の実態と合わなくなる。
- 入力が面倒になり、データの抜け漏れや適当な入力(ゴミデータ)が増える。
- 不正確なデータから作られたレポートが信用されなくなり、経営陣が見なくなる。
- 「誰も使わないシステム」へと形骸化する。
このループを断ち切るためには、現在の活用フェーズを正しく診断することが第一歩です。
【プロ直伝】4つのフェーズ別・Salesforce活用度チェックリスト
Salesforceの活用度は、大きく4つのフェーズに分けられます。以下の各項目について、自社が「はい(できている)」と胸を張って言えるかチェックしてみてください。
フェーズ1:入力・定着(データ蓄積の基盤づくり)
まずはシステムとして最も基本的な「正しいデータが日々入力されているか」をチェックします。
- 営業メンバー全員が、週に1回以上必ずSalesforceにログインしている。
- 必須項目が適切に設定されており、未入力のまま商談が進行することはない。
- 「選択リスト」が活用されており、テキストの自由入力(表記揺れの原因)が最小限に抑えられている。
- パスワード忘れや基本操作の質問を、社内ヘルプデスク(または代行窓口)が迅速に解決できる体制がある。
フェーズ2:可視化・分析(データの見える化)
溜まったデータが「意味のある情報」として可視化されているかをチェックします。
- 経営陣が、毎週Salesforceのダッシュボードを見て進捗を確認している。
- 営業マネージャーが、部下の「活動量(訪問数など)」と「商談フェーズの滞留状況」をレポートで即座に把握できる。
- 各個人が、自分専用のダッシュボード(今日やるべきタスクや自分の目標達成率)を持っている。
- 会議の際、Excelでわざわざ資料を作り直すことなく、Salesforceの画面を見ながら議論できている。
フェーズ3:自動化・効率化(業務負荷の削減)
Salesforceが「入力するだけの面倒なツール」から「業務を楽にしてくれるツール」に進化しているかをチェックします。
- 「商談フェーズが変わったら、自動で次のToDoが作成される」といった自動化(フロー)が実装されている。
- 承認プロセス(見積り承認や値引き稟議など)がSalesforce上で完結し、紙やメールのやり取りが廃止されている。
- メール送信や定型的な活動記録が、テンプレート機能を使ってワンクリックで完了する。
- (※利用している場合)Webフォームからの問い合わせが、自動で「リード」として取り込まれる。
フェーズ4:ビジネス貢献(売上・利益の創出)
Salesforceがシステム領域を超え、マーケティングや外部連携を含めた「経営基盤」として機能しているかをチェックします。
- 過去の「失注理由」を分析し、自社の弱点克服や商品開発に活かせている。
- 休眠顧客に対して、最終接触日ベースで自動的にリストを抽出し、再アプローチをかけている。
- MA(マーケティングオートメーション)ツールや会計システムなど、他システムとのデータ連携(API連携等)が構築されている。
- Salesforceのカスタマイズ(機能追加)を行う際、場当たり的ではなく「自社のKGI/KPI達成のため」という明確な目的がある。
チェック結果の判定と「次の一手」
チェックした結果はいかがでしたでしょうか?「はい」の数が多かったフェーズが、現在の貴社の活用レベルです。
- フェーズ1でつまずいている場合: 現場へのヒアリングを早急に行い、「なぜ入力されないのか(項目が多すぎる、画面が使いにくい等)」の根本原因を特定し、画面レイアウトや入力規則の改修を行ってください。
- フェーズ2・3に課題がある場合: データの蓄積はできているので、ここからが一気に投資対効果(ROI)を高めるチャンスです。ダッシュボードの再設計や、フロー機能を用いた自動化の設定に注力しましょう。
- フェーズ4を目指す場合: 社内リソースだけでは高度な分析や外部システム連携が難しい領域に入ります。ここで初めて、プログラム開発やアーキテクチャ設計に強いプロの「運用代行(アウトソーシング)」の活用を本格的に検討すべきタイミングです。
まとめ
Salesforceは、正しく育てれば企業の売上を飛躍的に向上させる「最強の武器」になります。しかし、刃こぼれしたまま放置すれば、逆に業務効率を下げるお荷物にもなり得ます。
今回ご紹介したチェックリストを、自社の情報システム部門や営業企画の定例ミーティングでぜひ活用してみてください。現状の課題(できていないこと)を明確にし、一つずつクリアしていくことが、Salesforce活用の王道です。
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- Salesforceが「ただの入力ツール」になる
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- 経営判断に使えるデータが蓄積されない
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